2024年11月25日 (月)

漁火見える丘ありて 感想文 5

 大変素晴らしい舞台を有難うございました。三浦さんは、八高(八中)、早田の六年先輩で一杯やる機会もありました。当時は軍国主義の日本が敗れ戦後民主主義が謳歌された時代。個人の自由が何よりも大事で「家」などは封建的と軽視された風潮の時代。そんな時代に三浦さんは「家」と「血」の重荷に苦しみながらも決してそれを否定しなかったのです。むしろ、その重荷を背負いながら、それを文学に昇華させていったのです。「忍ぶ川」などはその見事な結晶でした。「漁火見える丘ありて」の見事な舞台で、あの頃を思い出し涙を流しました。

 三浦さんの人生譚に止まらず時代を的確に描いた脚本の奥深さ。感動しました。当時都会では新しい時代の到来に歓声を上げていましたが地方では本当に大事なものを見極めようとしていたのでした。今、日本は少子高齢化に苦しんでいます。それは「個人」の時代の結論であると思います。生命を守り生命を継承していくことの大切さ。それは地方の役割のように思います。「安藤昌益」も反権力的な主張が注目されますが、私は生命の継承を何よりも大事に思った地方人の見事な人生だったと思います。その意味で大舘さんの方言の表現に地方人の魂を感じました。

 今、世界中で多くの生命が無残に奪われております。それも、かつて中国大陸で日本人も体験しました。舞台は、現代を見事に語っています。佐々木さんの脚本・演出で八戸から見た100年の 世界の歴史/日本の歴史 を見事に提示されていると思いました。本当に感動でした。ありがとうございました。 市内 新井田 T・K 様

 今の自分の心境に近い作品で明日からまた頑張って行こうと背中を押してもらいました。三浦と立花との楽しいやりとり、山崎夫婦や三浦の家族、主任先生どの役も素敵でした。 40代 O 様

 とても素晴らしかったです。三浦先生の生い立ち再認識し、作品を再度読み返したいと思いました。今後とも、楽しみにしております。 70代 主婦 様

 私の父が白銀中在学中三浦先生に、英語を習ったそうです。しかし、三浦先生の廻りには女子生徒やバスケットボールをやる生徒が集まっていて父はあまり接点がなかったようです。そんな話を父は私に「東京帰りだすけ珍しがられでらったのせ」と話していました。今思えば父は三浦先生に「やきもち」やかねでいだのでしょう。別の女性からは「楽しい英語の授業でした」とも聞きました。今日の舞台を観てまさにこんな先生だったんだろうと思いました。三浦先生の著作で拝読したエピソードが沢山出て来て楽しかったです。 60代 A 様

 八戸の浜育ちの私はとても面白く心に残る劇でした、ありがとうです。これからも楽しみにしております。 60代 会社員 様

 初めて見にきました。とても良いお芝居でした。あったかい八戸弁、懐かしかったです。この彼岸の最中に、亡くなった両親を思い出しました。また来たいと思います。50代 会社員 様

 南部弁がなつかしかったです。三浦先生の本を読みたいと思いました。とても良かったです感動しました。 60代 A 様

 今の時代にマッチ。戦争は終わっていない。戦争の裁判は今日もやってました。 70代 主婦 様 

 自分は金田一村で暮らした。いつも思い出してるのは、貧乏育ちで「だんじゃ」の旦那様にお世話になった事。忘れません、83歳になります。これからも楽しみにしています。ありがとう御座います。 市内新井田 S・T 様

 

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2024年11月22日 (金)

漁火見える丘ありて 感想文 4

 白銀中学校卒業生で3年間中庭の当直室に何かの係りがあったり、ぼんやり眺めながら生活し懐かしかったです。素晴らしい舞台でした。こちらこそ有難うございました。のっこりの清水の婆ちゃんの顔を見たかった、佐々木和子先輩の 市内白銀 R・I 様

 亡き母が、白銀中生だった時の担任が三浦哲郎先生でした。時々、三浦先生の話をしてくれた事が懐かしく思います。立花義康先生とのストーリー、とても楽しく観ることが出来ました。地元の題材、今後も楽しみにしております。市内長苗代 K・A 様

 とても感動しました。本を読み返したいと思います。 市内北白山台 H・H 様

 あいにくの雨でピチピチ、チャプチャプとはいきませんでした。下ばかり見て転ばぬように歩いて来ました。三浦先生にはお会いしたことなかったけど立花先生にはいつもお話を聞いていました。お友達である自慢話をしてました。 市内妙 S・O 様

 大変良かったです。演題の三浦哲郎さんの人生に大変興味があったので嬉しかったです。毎年楽しみにして観たいと思っています。 市内東白山台 Y・Y 様

 三浦哲郎が、作家として生きていく道を八戸の地で見つけていく、苦悩と希望に感動しました。 市内柏崎 M・M 様

 ご苦労様でした! 私事(病気)で2回休み、今日は本当に楽しみにしており、雨が風になろうが出掛けて来て良かったです。皆様に感謝です。大舘さん良かった良かった! 又、来年も生きていたら観たいです。ありがとう、有難う! 市内大久保 M・I 様

 凄かったです。ありがとう御座いました。 市内沼舘 K・A 様

 白銀出身なので方言などとても懐かしく良い芝居でした。89歳の姉が三浦先生の教え子でした。送辞の際国語の先生に指導を受けなさいと云われたが、三浦先生が良いと言ったと話してました。―略― 良い思いでになった事と喜んでおります。 市内八幡 A・D 様

 三浦哲郎が作家を志すまでの過程が、テンポよく分かりやすく描かれていました。一人一人の台詞がとても聴きとりやすく感動しました。欲を言えば三浦哲郎役の方の台詞がもっと「八戸弁」だったらと思いました。ありがとう御座いました。 市内 B 様

 とても良かったです。 60代 やませ初観劇のお客 様

 そう言えば思い出した。 1、黒の腕抜き 2、白のトレパン 3、先生の宿直 4、時間割の鐘 5、毛糸のスカーフ、、、金バケツ、蚊帳  ばば(御本人記入)様

 久しぶりび感動いたしました。 やませは三度目観劇 様

 新星、髙坂大誠さん素晴らしい演技でした。ありがとう御座いました。立花義康役、小泉宜紀さんがたくさん出演して下さりとても良かったです。以前より明るい雰囲気で、今回の脚本とてもよかったです。 50代 S 様

 とても良かったです。三浦哲郎作品読みたいと思いました。 50代 公務員 様

 三浦哲郎さんのことは、叔父などからも聞いたことはありましたがこの劇中からも良く分かりました。終戦後の状況も今回実感しました。これから戦争について、あるいは八戸の著名人を知る人がどんどん減るのを寂しく思いました。60代 主婦 様

 若い三浦さん弱虫だったんですね。今回はアンサンブルがとても良かったです。 60代 K 様

 

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2024年11月18日 (月)

漁火見える丘ありて 感想文 3

 大変良かったです。方言も浜通り、旧市内いろいろ出て懐かしかった。次も又楽しみにしています。 市内 M 様

 —前略― 戦争は終わっていない。昨日の裁判のニュース(長崎「被爆体験者」訴訟)も、広島に原爆があったというのを認めないと、国は控訴するという。まだ戦争は終わっていない。ついこの前まで引きずっていてすぐ隣の人がつらい目にあっていた。その中で前を向き自分の生き方を模索し進んでいく青年の姿もある。世界で戦争が起きて子供までが死んでいる。私が暮らしている、立っているこの地球で行われているのだ。信じられますか? 今回の「漁火見える丘ありて」は、三浦哲郎の人生・友情だけでなく戦争反対、反戦を感じる事が出来る最高のシナリオです。 K・S 様

 毎回、八戸に根差したテーマ内容に心揺さぶられ共感出来ます。今日も笑いあり、涙あり言葉遊びありしっかり観劇を楽しめました。劇団員頑張れ! 70代 主婦 様

 最後の大舘さんのご挨拶のように地元の先人の方々の話を続けて取り上げて下さる様にお願いします。脚本の作成には苦労があるとは思いますが、これからも様々の方面からの協力を得て素晴らしい物語を創って下さる様にお願いします。 市内 M 様

 すごく良かったです‼ 感動しました。ありがとう御座いました。 始めてやませを観劇のお客 様

 いつも楽しみにしてます。とても感動的な舞台でした。また拝見します❣ 頑張って下さい。 60代 様

 白銀弁なつかしい! とってもお上手でした。今の白鴎小学校の近くに住んでいるので、舞台の設定の廻りの状況よく分かる感じです。 白銀在住 様

 劇のあらすじが大変わかりやすく共感が持てました。ひとり一人の、役柄への取くみの真剣さが伝わってきました。なまりも身近に感じます。三浦哲郎さんの小説、また読み返してみます。ありがとう御座いました。御疲れさまでした。 八戸市民劇場の会員 F 様

 涙と笑いと、何か熱い物をとどけてもらいました。 市内 A 様

 三浦哲郎さんの小説は読んでましたがこの度のお芝居は感動しました。皆様の心が伝わってきました。ありがとう御座いました。 M・K 様

 戦争、兄達の失踪、姉等の自死を乗り越え作家になった三浦さんの背景が丁寧に描かれていました。また改めて三浦さんの作品を読んでみたいと思いました。三浦文学館が欲しいですね。 市内 T・T 様

 本当に良いお芝居でした。三浦哲郎さんの作品を読んでみます。 K・K 様

 初めて拝見させていただきました。南部弁が面白く八戸の知らない昔の出来事がリアルでとても勉強になりました。皆さんの今後の活躍も期待しております。素敵なお芝居を観させていただきありがとう御座いました。 R・S 様

 三浦哲郎さんの人生が輝かしく演出されていて素晴らしかったです。地元の先人をこれからもご紹介して下されば嬉しいです。 三戸郡 T・S 様

 とてもよかったです。又みたいです。ぜひ公演を続けてください。 市内 S・H 様

 生の芝居が観れることそのこと自体が貴重です。是非永く頑張って下さい。映画にはない良さがあります。感動しました。 三戸町 50代 T・K 様

 地元の方言、その他、とても近くに感じられた。また次回も観たくなりました。 市内 小中野 S・S 様

 毎公演八戸の人のことを取り上げて素晴らしいと思います。これからも期待しています。 市内 売市 E・M 様

 私も背中を押された気がします。感動しました。ありがとう御座いました。三浦さんの小説も読んでみたくなりました。次回も愉しみにしております。希望にあふれる作品(劇)でした。とても良かったです。 市内 柏崎 N・N 様

 

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2024年11月15日 (金)

漁火見える丘ありて 感想文 2

 感動しました。三浦哲郎氏の作品に興味を持ちました。ありがとう御座いました。 40代 公務員 様

 どきどきしました…、泣きました…、お母さん(高森恵子さん)の八戸ことばがいいですね! 70代 S 様

 「白夜を旅する人々」を彷彿とさせるストーリーだった。三浦哲郎さんの作品をまた読みたくなった。大舘さんの二役 良かった❣ 地元の演劇集団としてこれからもがんばって下さい 60代 主婦 様

 今は聞かれない懐かしい方言や地名が良かったし、お上手でした! 50代 Twitterで公演を知ったお客 様

 八戸弁が懐かしかったです。三浦哲郎さんの生い立ち、涙なしでは観れなかったです。又色々三浦さんの本を読んでみたいと思います。 やませは初観劇のお客 様

 初めて〝やませ〟を観指して頂きました。大変良かったと思います。これからも色々な八戸の話題をお知らせ頂けたらと思います。 70代 パート勤務のお客 様

 久しぶりのやませの芝居超良かったです。当然、次回の作品期待します! 60代 主婦 様

 大変良い題材とお芝居を観させて頂きました。本当に良い時間を持てました。ありがとう御座いました。 50代 やませは始めてのお客 様

 主役の方だけが「純八戸弁」ではなかったが、観客に分かりやすくするためですか? 私的には違和感がありました。60代 主婦 様

 三浦哲郎さんの小説が好きなので楽しみに観にきました。素晴らしかったです。三浦作のお話、改めて読むのが楽しみです。学校に勤めたことがあるのでガリ版、巡回時計、手で鳴らす鐘などとても懐かしかったです。南部弁すばらしい❕ 70代  主婦 様

 とても感動しました。三浦さんの本を読んでみて人生を調べてみたくなりました。八戸の歴史、言葉、あれもこれもとても素敵でした。 60代 H 様

方言の劇であることが凄く心を打った。とても、本当に楽しめました。 70代 主婦 様

 三浦哲郎と立花義康の友情が心から伝わりました。今の自分にあのような友人がいるのだろうか。今からでも友人を作っていきたいと思いました。八戸弁、白銀弁懐かしく聞くことが出来ました。とても楽しい一時でした。ありがとう御座いました。 70代 N 様

 大変素晴らしかったです。どんなにか苦悩して作家になる決心をしたかの所にスポットをあててうまく伝えていて良かったです。これからも地元の作品を頑張って演じて下さい。 70代 自営業のお客 様

 思いっきり楽しみました。そして、感動しました。素晴らしい 地元の誇るべき劇団です。また次回も楽しみにしています。絶対観にきます。友達にもたくさん声をかけます。ありがとう御座います 70代 主婦 様

 

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漁火見える丘ありて 感想文 1

 とってもとっても、良い舞台でした。私の中のやませの演劇 ベスト3 に入ります。心にしみました。ひとりひとりのセリフが……、 すてきな舞台ありがとうございました。和子先生もおつかれ様でした。次回はぜひ、お姿も!! 60代 主婦 様

 地元の方の作品、、、とても素晴らしいです! 60代 主婦 様

 劇団やませ頑張れ‼ 応援します。 70代 K 様

 「白夜を旅する人々」の作品のその後作家を目指す三浦哲郎の物語。大変感動致しました。お姉さんたちの登場には大変苦労があったことと思いますが大変良く描かれていました。お疲れ様でした。これからも演劇楽しみにしております。 70代 主婦 様

 毎回素晴らしいお芝居ありがとう御座います。今回もセットの出来に感服致しました。大舘さん小泉さん流石でした。高森さんの南部弁、いつも通りの名調子!! 次回も楽しみにしてます。来年も観劇出来ます様に、頑張ろう❣❣  BFMで宣伝をお聞きの観客 様

 主人公役、髙坂大誠さんの演技にはとても引き込まれました。機会があって何処かの演劇で見たことがありますが全く違いました。セットや演出方法も良かったです、ありがとうございました。三浦哲郎さん読んでみます。50代 主婦 様

 三浦哲郎さんの作品を読んでみたくなりました。八戸題材にした舞台で勉強になります。また機会があれば観にきたいです。ありがとうございました。 40代 やませは初観劇 様

 三浦さんの本を読んでみたいと思いました。70代 主婦 様

 地元を題材にし方言で演出の芝居がとても好きです。これからもよろしくお願い致します。 70代 主婦 様

 何も知らなかった、若き日の三浦哲郎さんのことを知り今さらながら素晴らしい人であったと思います。「忍ぶ川」を若い頃読んだだけでしたが又読み直してみたいと思いました。読書家ではない私ですがこんな風に地元の人を知ることはとても嬉しいことでした。ありがとう御座いました。 70代 M 様

 以前から観たい観たいと思っていたので今回の再演に、通っても満足しています。 60代 やませは二度目の観劇 様

 感激しました! 大舘登美子さんの演技力素晴らしい! 又の公演を楽しみにしています。 70代 主婦 様

 毎公演毎公演、いつ観ても素晴らしい舞台です! 主婦 様

 ドラマが進むうち色々なことが思い出されました。大変良かった。今後も頑張って頂きたい。 70代の観客 様

 その時代のことが良く解り楽しくもあり悲しくもあり、、、楽しかったです! またお願い致します。 やませは三度目の観劇のお客 様

 八戸に劇団があって良かった。八戸の劇団の演劇を鑑賞出来て良かった! 70代 新聞で公演を知ったお客 様

 三浦哲郎さんのことをもっと知りたくなりました。きみこ姉さんの言葉ひびきました。主役の方が何かとても清々しくて観にこれて良かったです。友達もつれて又必ず来ます! ラジオの大舘さん素晴らしかったです! 全ての配役が良かった! 50代のお客 様

 

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2024年10月18日 (金)

漁火見える丘ありて

お陰様で無事公演を終えました! ありがとうございました!


『漁火見える丘ありて』 作・演出/佐々木 功

キャスト

三浦 哲郎(ドラマの主人公)/髙坂 大誠 立花 義康(哲朗の親友)/小泉 宜紀 三浦 いと(哲郎の母)/高森 恵子 三浦 貞子(哲朗の次姉)/大舘 登美子 三浦 きみ子(哲郎の三姉)/清水 麻知子 鈴木 むつ子(白銀中学校の主任教官)/外舘 暢子 山崎 芳三郎(白銀中学校の用務員)/井畑 潤 山崎 ハツエ(山崎の妻・夫と共に満州引揚げ者 )/大舘 登美子 清水の婆ちゃ(白銀の住民)/佐々木 和子 清水の嫁さ(白銀の住民)/高森 恵子

スタッフ

美術/大木 伊佐人 照明/工藤 正明 音響/八奈見 條史 大道具/福士 義秋 宣伝美術/安達 良春 制作/高森恵子 受付/福士政子・大塚早百合

八戸市公会堂文化ホール 2024年9月21日㊏・22日㊐

 

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2024年4月15日 (月)

小説家 三浦哲郎

作・演出 佐々木功

漁火見える丘ありて ―若き日の三浦哲郎―

2024年9月21日㊏ 18:30開演

         22日㊐ 13:00開演

八戸市公会堂文化ホール(公民館ホール)

一般前売/2,200円 中高生前売/900円(当日各300円増し)

チケット発売予定 7月21日開始

〈取扱い予定店〉八戸市民劇場・HPMはっち・八戸市公会堂・美容室ココ・ラピア

🔲前売料金での入場ができるメール・電話による事前予約も御座います。その場合、受付の混雑を防ぐ為に釣り銭不要のご準備をお願い申し上げます。🔲事前予約受付開始7月21日 🔲上演時間は125分前後を予定 🔲全席自由

 

〈前号に続き〉

 (三)殺風景な宿直室と自分自身の〈血〉

 白銀中学校は、町の裏手の荒れた丘の上に建っていました。そのころは宿直当番があり、男の教師たちが順番に学校の宿直室に宿泊しなければなりませんでした。家庭持ちの先生たちはその当番をいやがっていました。家庭もちでなくても誰でも、寂しい学校で独りきりの夜を過ごすことを嫌がっていました。

 ある晩、風邪気味だという初老の教師に頼まれて、代わりに宿直当番を引き受けてやりました。それが忽ち職員室にひろがって、一番若い三浦さんに宿直当番を押しつけるようになりました。一週間のうち三日も四日も寝泊まりするようになりました。

 宿直室の隣に住んでいた用務員さん夫婦は、夕食を済ませるとさっさと灯を消してねてしまい、宿直の夜は、心細くて思いのほか長く寂しいものでした。七時と九時半に、校舎の見回りをする義務があり、寝る前に宿直日誌をつけねばなりませんでした。風のない夜、校舎は暗く静まり返って、耳鳴りがしました。風の吹く夜は、校舎の窓という窓ががたがたと鳴り、きまってこわい夢をみたということです。宿直室は床の間と押し入れとちいさな炉のほかには、家具もない六畳間の和室でした。東向きに、雨戸もカーテンもない窓があり、夜、その窓を細目に開けて覗くと、大地の闇の上に広い星空がみえ、月夜には、しらじらとした荒野が荒涼と広がっていました。

 押し入れには、薄い夜具一式と、薄い座布団が数枚入っており、その一枚を炉端におき、その上に座ってお茶を飲みながら、しょんぼりと煙草をふかしていました。

森林 康著「講話集 三浦哲郎とその文学」より抜粋

 

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2024年4月13日 (土)

令和6年本公演 『漁火見える丘ありて』

 (森林康著『講話集 三浦哲郎とその文学』2021年11月3日発行)より抜粋

 昭和二十五年二月、学費の支援など受けるなど、何かと頼りにしていた次兄の益男さんが、突然行方知れずになりました。長兄文蔵さんと同じように失踪してしまったという事実に、またも大きな衝撃を受けました。からだがふるえるほどの恥を感じました。次兄の益男さんの失踪は一家の恥であると同時に、そんな次兄の益男さんを、この人ばかりはと頭から信じて疑わなかった自分の愚かさの恥でもありました。その後、父壮介さんから帰郷するようにという連絡があり、もう、なにもする気にもなれず、試験も放棄することに決めました。文学も、小説も、船越さんも、太宰治も、みんなさようならだと考えました。そして、三浦さんは、姉たちのように死ぬことを考えました。それから兄たちのように行方をくらますことも考えました。大きな大きな挫折でした。

 けれども、三浦さんは、死ぬことも失踪することもできませんでした。大学に退学届けを出して郷里の二戸に帰りました。一家はまだ疎開先の父の村に住んでおり、陰気に静まり返った家にいたたまれなくて、たびたび生まれ故郷の八戸にある、友だちの家を泊りがけで訪ねて歩き、酒を飲むことをおぼえ、深酔いすると、かならず涙を流していたそうです。

 ⑵ 安田先生との出会いと体育教師

 友だちの家は、駅通りでちいさな割烹の店を営んでいました。三月のある日の午前、三浦さんは二日酔いの重い頭で、店の土間の上がり框にぼんやり腰をおろして居ると、不意に、和服の男が玄関の戸を開けて、目の前に立ちました。見上げると県立八戸高校で生物をおそわった安田有三先生でした。

 「やあ、しばらく。三浦君だろう? 県立高校にいた安田だよ。ここにきてみればわかると思って訪ねてみたんだが、ちょうどよかった。まさか、きょう会えるとは思わなかった。これは幸先がいいな。」といいました。安田先生は三年前の四月に県立高校から、市内の漁師町に新しくできた白銀中学校の校長に栄転していて、もしよかったら、自分の学校を手伝って貰いたいのだが、どうだろうか、ということでした。

 六・三・三制という新しい学制ができて、各地に中学校が増設され、教師不足のために大学中退者でも中学校の助教諭になることができました。当時の白銀中学校は、長期欠席の生徒が多かったため、安田先生は、スポーツの施設や道具を整え、スポーツ指導のできる若い教師を雇うことが必要であると考えておりました。

 「本校には、きみがどうしても必要なんだよ。ほかに就職の当てがないんだったら、うちの学校へきて手伝ってくれないか。ただ生徒と一緒に遊んでやるつもりで、きてくれないか。」と安田先生がいいました。

 三浦さんには就職の当てなど全くありませんでした。自分にできるものはスポーツだけで、独りでいれば絶望的になるばかりであると思っていました。そして、兄や姉たちとおなじ道を辿ることになるかもしれません。一年か二年、なにも考えずに、子供たちと一緒に汗を流しながら、暮らしてみようと思いました。

 「自分にできるかどうかわかりませんが、やってみます。お願いします」と返事をしました。安田先生は喜んでくれました。そのときはまだ十九歳になったばかりでしたが、その年の四月から体育指導の助教師として勤務することになりました。まだ背広がなくて黒い詰め襟の学生服を着て出勤しました。学校に着くと、トレーニング・シャツと白いズボンに着替え、首からホイッスルを吊るしてグランドに出ました。

 毎日授業が終わるまで、首にホイッスルを下げて生徒と一緒に校庭で遊んでくれればいいという約束でしたが、「彼だけが楽をしているのが気に食わない」と不平を口々にする古参の先生がおり、一年生の英語も担当することになりました。また、校舎の裏手の空地にバスケットボールのコートを作って貰って篭球部を創設し指導にあたりました。

〈次号に続く〉

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2024年1月21日 (日)

ひたむきに生きて お客様の感想文 9

 永嶋暢子さんを初めて知りました。崇高な志を持った方で大変感動しました。 60代公務員 様

 八戸に住む者として地元の偉人の歩みをリアリティーに基づいて学ばせてもらった。嬉しいの一言です。 50代のやませ初観劇のお客様

 難しい内容を分かりやすく劇にしていたと思います。楽しかったです。  いつもの50代のお客様

 誇り高く生きた女性! 貧しい人のために生きた人々、そんな誇り高い人生に触れた気がします。ありがとうございました。 60代 主婦 様

 舞台の構成など、工夫されていて良かったです。婦人解放運動、若い人達はどう興味を持たれるのかな? と思いながら観ていました。大変ご苦労様でした。 市内類家 M 様

 素晴らしかったです。これからも地元の方々について演じていただけたら、すごく勉強になり、嬉しいです。ありがとう御座いました。次回を楽しみにしております。 市内根城 H 様

 大変良かったです。お疲れ様でした。来年も来ますよ。 60代 主婦 様

 ひきこまれました。ありがとうございました。40代 やませ三度目観劇 様

 すみませんがあまり聞こえなかったですよピンマイクでも使った方がよいのでは? 70代 主婦 様

 現代にも通ずる数々の出来事に自分のことも重なったりで感慨深い作品でした。少ない人数での長台詞、声色を変化させたり年代を数々とこなしたり流石の一言です。郷土の方々の歴史に触れることの出来るこの劇団やませの方々に感謝の気持ちで溢れます。皆様お元気で次回愉しみにしています。お身体を大切にされて下さい。 市内柏崎 N 様

 本日はI氏の付き添いとして観劇です。永嶋暢子さんが八戸で育って婦人解放運動に関わり八木さんと出会う。そして、中国に渡るところまでを舞台を見る事を通して鮮明に知る事が出来ました。何しろ、演劇を見ることが久しぶりで…、2時間に渡る劇をやり遂げることがいかに大変なのかを感じられた気がしました。とても面白かったです。 川崎市多摩区 K・T 様

 以前に他のセミナーで、永嶋暢子さんのことについてお話を伺いもっと激しい女性なのかと思っていましたが今回のステージではか弱い部分も感じました。よいステージでした。お疲れ様でした。ありがとうございました。 無職の 60代 様

 自伝として解りやすい内容でした。これからの活動を期待しております。 60代 T 様

 永嶋暢子さんの事よく分かりました。婦人解放運動に力を注いでいたこと初めて知りました。ありがとうございます。 70代 様

 取材中の現在と思い出の中の過去を同じ舞台で行ったり来たりの手法は観ていて楽しかったです。劇団の皆様お疲れ様でした。次回も楽しみにしております。 50代のお客様

 八戸で活躍された人物を取り上げて公演していることに敬意を表します。今後も地元に根を張って頑張って下さい。 60代 友の会員 様

 どんどん引き込まれ解りやすく、ぐすっと笑いあり。八戸のこと時代の頃人の事が知れ、気持ちが広がり心の風通しが良くなったようです。大変なお芝居、ありがとう御座いました。又、楽しみにしています。 60代 X 様  

 

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2024年1月20日 (土)

ひたむきに生きて お客様の感想文 8

 いつも郷土の偉人の題材を公演下さりありがとうございます。今回はシリアスな内容でしたが、黒子さんに笑える演技を入れて笑わせて下さったり、いつもですが見事な舞台装置。とても楽しませて頂きました。外舘暢子さんの客演は素晴らしかったです。またやませさんで見せ(魅せ)て下さいね。 やませ友の会会員 50代 様

 相京範昭氏本人も来八し感激 俳優全てよし 大道具・小道具・音響効果・衣裳スバラシかった 汽車良く出来ていたね 市内吹上 男性 のお客様

 動きが少なく台詞が多かったので出来れば逆のパターンも!  初日観劇のお客様

 耳が遠くなってきているので、登美子さんの声は助かります。 市内岬台 S 様

 膨大な台詞量、大変でしたね。珍しくセリフが止まってちょっとドキドキしましたが今まで知らなかった地元の人の事を上演により知る事が出来、次も楽しみです。 市内諏訪 S 様

 時代は流れるものではなく、生きているものです。原因があって結果があります。観ている者に落ちて心の糧になるのは、それらが腑におちるからである。その点では脚本に深みが不足かなと思います。しかし、よくこの人物を取り上げてくれました。ナイスチャレンジだと拍手します。ありがとうございました。 70代 無職 様

 充実した内容の舞台をどうもありがとうございました。事実にもとずいた内容で驚きました。楽しい場面も多く、バランスがとれたお芝居だったと思います。今後の活動も期待しております。衣裳も良かったです。 50代の お客 様

 初めて観た劇団やませ。今回観ようと思ったきっかけに、外舘さんの出演でした。ですが、凄く素敵なお話でした。八木秋子さん役の方の嬉しそうな表情、心が痛いシーン、本物そっくりで観ていて胸にぐっときました。劇団自体も地域を生かした作品ということで、八戸に住んでいるならもっとたくさん観て知りたいなと思いました。ありがとう御座いました。次回作も楽しみにしております。 やませ初観劇の 10代のお客様

 劇とは直接関係ないことですみません。😞 以前から気になっていたことなのですが、八戸は公演等で帽子を脱がない方が多いのです。私の感覚がおかしいのでしょうか? 私はとても気になります。開演前の注意で、携帯・スマホに加え脱帽も入れてもらえませんか? ちなみに以前の八戸市民大学講座では事前の注意に脱帽が入ってました。演者に失礼だと私は思います。〈ここから芝居について〉とても面白かったです。歴史好きの私にはここ何年かで一番面白かった。平板な内容をよくぞここまで仕上げた。巧みな演出が素晴らしい。舞台美術も素晴らしかったです。少し台詞かみと間が合わない所が多かったのが残念でした。今回もありがとう御座いました。お疲れ様でした。 60代のお客様

 ブラボ――!  とだけ記入のお客様

 せりふのつっかかりが多くて残念でした。 50代のお客様

 あるはなく 生きていることこそなげく!! 78才のばば!! 災害転期? マイナス丈の人生はない。東京での永嶋暢子さん八木秋子さん忙しくて難しい。満州での話は良かった。 やませ観劇は二回目の 70代のお客様

 この度は、御開演おめでとうございます。 ―略― 人数の少ない中での公演は本当に大変なことだったと思われますがみじんとも困難さを感じさせず、お一人々の演技に引き込まれました。又、舞台装置などもとてもとても、大きな効果を与えていると感じました。失礼かと思いますが本当、この度の舞台装置、照明、音響効果、衣裳はこの舞台をより優れたものにしてくれ、私の心により深く心にとめる内容となりました。なを々言い足りず。素晴らしい!! 感動  市内鮫町 Y 様

 演出良かったです。ありがとうございました。永嶋暢子さんのこと良く分かりました。 60代やませは二回目観劇のお客様

 この様な題材を取り上げて下さり嬉しいです。増々の活躍をこれからも楽しみにしております。今日はとても楽しむことが出来ました。本当にありがとう御座いました。 広報はちのへで公演を知って初観劇 60代のお客様

 とても感動しました。次回作も楽しみにしています。 20代初観劇のお客様 

 

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